高市旋風だけじゃない?自民圧勝をもたらした不公平な制度とは

高市旋風だけじゃない?自民圧勝をもたらした不公平な制度とは 政治

支持率と結果が乖離する、2026年衆院選の制度的問題

今回(2026年)の衆議院選挙では、自民党が単独で議席の2/3以上を獲得しました。
選挙区に限れば、その占有率は86%にも達しています。

この「2/3以上」という数字は、単なる大勝を意味するものではありません。
衆議院において憲法改正を発議できるラインに到達した、極めて重い意味を持つ数字です。

しかし一方で、比例代表における自民党の得票率(≒支持率)は37%に過ぎません。
つまり、国民の1/3強の支持率しか無いのに、2/3以上の議席数を確保したことになります。


1人だけに投票する小選挙区制がもたらす「与党有利」の現実

この乖離の最大の要因は、現在の1人だけに投票し、1人だけが当選する小選挙区制度にあります。
この制度は、構造的に与党が有利です。

野党に複数の候補がいれば反与党の票が割れ、与党候補は過半数に届かない得票数でも多くが当選します。
(一部の選挙区では自民党と維新の票割れもあったはずですが、全体としては例外的です。)

一方、野党側が「中道改革連合」のように無理に合流すれば、政策が曖昧になり支持を失います
また、野党間の候補者調整も、現実的にほぼ不可能です。

つまり、民意とは無関係に野党候補者の数で結果が決まることが多く、絶対的に与党有利な制度なのです。

なお、1994年に中選挙区制から小選挙区制に変更された目的は、政権交代が起きやすい2大政党制を実現することだったらしいですが、それには野党統一が必要であり、実際には絵に描いた餅になってしまっています。


「支持率が少し上がっただけ」で議席が激増する理由

前回(2024年)の衆議院選挙で、自民党は、

  • 比例得票率(≒支持率):27%
  • 選挙区の議席占有率:46%

でした。

それに対して今回(2026年)は、

  • 比例得票率:37%(前回比37%増)
  • 選挙区の議席占有率:86%(前回比87%増)

となっています。

つまり、高市旋風によって、自民の支持率が前回より上がったことは確かですが、その上がり幅に比べて、選挙区の増加率は明らかに異常です。
これは、野党の票割れによって「勝てる得票数」に届く選挙区が急増した、
と考えられます。

なお、前回の選挙においても、比例得票率27%に対して選挙区の占有率が46%と大幅に高く、やはり民意と乖離していることがわかります。


票割れを防ぐ制度という選択肢

この問題への対策として、決選投票があります。1回目の投票の上位2名だけで2回目の投票を行うことで、票割れを防ぎます。自民党の総裁選でも行われました。
仮に今回の衆院選の小選挙区で決選投票が行われていたら、野党の議席が大幅に増えたはずです。

しかし、2回も投票を行うのは現実的ではありません。このため、1回の投票で同じことを行うのが、優先順位付き投票制です。一部の国では既に導入されています。

複数の候補者に順位をつけて投票することで、
実質的な決選投票が集計時に自動的に行われ、票割れが起きません。
そのため、民意がより正しく反映されやすい制度です。

また、小選挙区制導入の目的であった2大政党制にも、なりやすい制度であると言えます。

この「優先順位付き投票制」については、下記で詳しく解説しています。


「自己決定」の危うさ

そして、より根本的な問題は、
自分たちの利害に直結する制度を、自分たちで決めていることにあります。

総理大臣が都合の良いタイミングで解散総選挙を行える制度も、政治献金の問題も同じ構図です。
国会議員の利害に関わる制度を、国会議員自身が決める限り、自分に有利な制度になっていくことに、歯止めはかかりません。

本来は、完全に独立した機関がこれらの制度設計を担わなければ、
最悪の場合、独裁へとつながる危険性すらあるのです。

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