🔹「ガソリン減税、賛成!」――でもそれ、本当にあなたのためになる?
ガソリンが安くなると「みんな助かる」と思っていませんか?
実はそれ、お金持ちにうまく騙されているかもしれません。
ガソリン減税で一番得をするのは、燃費の悪い高級車に乗る人たち。
そして、車を持てない貧困者には全く恩恵がありません。
🔹ガソリン減税で誰がいくら得をする?
ガソリンの暫定税率:28.7円/Lが廃止になった場合、年間1万キロ走行する場合に得する金額は?
| 車のタイプ(燃費) | 年間の得 |
|---|---|
| 高級SUV(8km/L) | 3万6,000円 |
| 普通の車(16km/L) | 1万8,000円 |
| 車を使わない人 | 0円 |
つまり、お金に余裕があって、ガソリンを浪費している人にお金が流れ、
車を持たない人や、ガソリンを節約している人にはほとんど届かないのです。
🔹同じ1.5兆円を、「国民の半数」に分けたら?
ガソリンと軽油の暫定税率廃止にかかるお金は、なんと年間1.5兆円。
この1.5兆円を、日本国民の半数(約6,000万人)で分けたらどうなるでしょうか。
1.5兆円 ÷ 6,000万人 = 1人あたり 約2万5,000円!
4人家族なら → 約10万円!
つまり、ガソリン・軽油の減税をせずに、そのお金を所得が真ん中以下の国民全員に分ければ、ガソリンを安くするより、何倍も得するのです。
その理由は簡単!
お金持ちにたくさん流れるお金を、普通以下の人に分けるから。
💬 一言でまとめると
ガソリンを安くするより、
所得が普通の人以下全員に分けたほうが、みんなの暮らしが何倍も助かる。
もっと詳しく言うと
どうやって分けるべき?
所得が少ない人が困っているのだから、所得に応じに払う所得税を所得が少ない人だけ減税したり、所得税を払っていない人には直接給付すれば良いのです。
軽油が安くなれば、トラックの輸送コストが下がって、車が無い人にも恩恵があるのでは?
車が無い人に恩恵が全く無いわけではないですが、燃費の悪い高級車乗りはもっともっと得します。
概算してみると、軽油の暫定税率廃止で必要なお金5,000億円を、国民全員で分けると1人4,000円になり、高級車乗りはこれにガソリン減税分が加算されて4万円得します。
つまり、ガソリンと軽油の暫定税率廃止による車に乗らない人の恩恵は、高級車乗りの1/10です。
そして、所得が普通の人以下全員に直接あげれば、お金持ちにお金が流れないので、6倍以上に多くなります。
お金持ちは物価高で困ってないの?
お金持ちは、さらに儲かってます!
物価高の主要因である円安によって、株や不動産、金などの資産価値も大きく上がっています。輸出産業の業績も好調です。
つまり、物価高が大きな社会問題になっている中、資産を持っている人や一部の大企業に勤めている人は、実はたくさん儲かっているのです。
ガソリン・軽油価格を減税して下げると、他に問題あるの?
以下の通り、深刻な問題がたくさんあります。
- 鉄道(貨物も)やバス、自転車を使う人が減り、車を使う人が増えて、CO2が増加します。
- 渋滞も悪化します。
- 公共交通の衰退が加速して、移動に困る子どもや高齢者、障害者、飲酒者が増えます。
- 道路の建設・維持費が増加します。
- 交通事故死傷者が増えます。
- トラックやバスの運転手不足がさらに悪化します。
- 燃費の良い車やEVが売れなくなって、技術開発が抑制され、国際競争力が低下します。
- 物流の効率化が進まなくなります。
- 市街地が拡散して、様々な社会サービスのコストが増加します。
- 地方都市の中心部がさらに衰退します。
- 国の財政赤字が増えて、円安が進んで、輸入品がさらに高くなります。海外投資や海外旅行もしにくくなり、外国人による不動産購入や企業買収が増えます。
- 石油の輸入が増えて、富の海外流出の増加や、エネルギー自給率低下が促進されます。
つまり、将来的にもどんどん悪い方向に向かうのです。
燃料価格を下げることによる弊害については以下を参照ください。
一度立ち止まって、よく考えよう!
「安くなるから賛成!」という安易な判断は、実は騙されているかもしれません。
今後のこと、次世代のこともよく考えて、冷静に正しい判断をしましょう。

