東名大和トンネルの付加車線の利用率はたった2%! 全ての付加車線は右側に付加すべき

車線毎の走行台数比率 付加車線はたった2%交通

付加車線を新設しても渋滞が改善されていない

東名高速道路の大和トンネル付近は日本有数の渋滞ポイントであり、近年、道路拡張が行われて付加車線が新設されました※1が、渋滞はあまり改善されていないとの報道があります※2

また、この場所以外でも、登坂車線やゆずり車線等の付加車線を走るべきなのか、渋滞時は走って良いのか等、筆者も含め、よく分からない方が多いのではないかと思います。更に、付加車線だけが空いているため、速く走りたい車が追い越し車線から一気に付加車線に入って追い抜き、付加車線終了部で再び追い越し車線に戻る等、危険な行為がしばしば発生しています。

このような問題の多い付加車線は改善が必要であり、その改善策を提案します。

付加車線の利用率は2%

まず、東名高速上り大和トンネル手前の付加車線について、Googleマップで調べた走行台数から利用率を算出してみたところ、わずか2%でした。トンネルを拡幅する等、多大な費用を投じて新設したにもかかわらず、ほとんど利用されていないのは明らかに無駄使いであり、責任を追求されるべき問題だと思います。このような利用率では、渋滞改善効果がほとんど無いことは当然であり、利用を促進して車線利用率を平準化することが必要です。

車速が落ちても付加車線に入らない

次に、付加車線が利用されない理由を考えてみます。

登り坂では多くの車が無意識に減速し、それにより後続車が次々に減速していくことで渋滞が発生します。この対策として、減速した車を追い越し易くするために付加車線を設けていると考えられます。

しかし、殆どの付加車線は左側に設けられているため、減速した車が付加車線に車線変更しない限り、付加車線を使って追い越すことはできず(左からの追い越しは違反になるため)、付加車線は使われないことになります。そして、減速しても気づかずに低速で走り続ける漫然運転者がわざわざ車線変更する可能性は低く、これらにより付加車線がほとんど使われないことは誰でも分かることです。

付加車線の改善案

上記の問題点の対策は、付加車線を右側に設けることです。つまり、付加車線開始部分の路面標示を変更するだけです。これだけのことで、速く走りたい車が右から追い越せるようになり、渋滞の発生が抑制されます。なお、この改善案の内容は、中央道(上り小仏トンネル手前)で既に実施しています※3。また、筆者が以前行ったカナダでは、全ての付加車線がこのようになっていました。

また、車線数が減る部分については、現状通り左側の車線を無くすことが妥当だと考えられます。なぜなら、片側3車線以上の道路の左端車線は利用率が少ない傾向があり、それにより右側車線が混んでいるため、それを是正して平準化することで渋滞を抑制することができるためです。

なお、交通量が多い時に付加車線終端部が渋滞発生の原因になることがあり、この対策として、付加車線終端まで進んで交互に合流すること(ジッパー合流、またはファスナー合流)が道路会社等で推奨されていますが、外国人旅行者等、予備知識の無い人も誰もが迷わず通行できるように、付加車線終端手前の一定距離を車線変更禁止にすると共に、対等・交互に先着順で合流するように路面標示することも有効です。これについては、下記に詳しく記載していますのでご参照ください。

また、合流部だけでなく、全ての交差点や、道路外への右折、道路外からの進入についても、現状は片側が優先であるために衝突時の被害が大きい問題がありますが、これを交互に先着順で通行することにより、重大な事故が減らせると考えられます。これについては、下記に記載していますのでご参照ください。

国や道路会社は早急な改善を!

上記のように、路面標示の変更だけで渋滞が改善するので、全国の道路を早急に変更して欲しいです。読者の方も、国や道路会社に意見をお伝えいただけると有り難いです。

意見送付先:
国土交通省 道の相談室
NEXCO東日本 メールでのお問い合わせ
NEXCO 中日本 お問い合わせ・ご意見・ご要望
NEXCO 西日本 メールでのお問い合わせ

参考文献

※1:NEXCO中日本 E1 東名 大和トンネルの拡幅工事が完成します ~渋滞緩和を目指して2021年7月14日から付加車線の一部運用を開始します ~

※2:くるまのニュース 日本最強「渋滞スポット」は改善された? 東名「大和トンネル付近」は拡幅工事で渋滞は緩和されたのか

※3:NEXCO 中日本 渋滞削減のため、中央自動車道の車線運用を変更します~下り線元八王子地区と上り線小仏TN手前~ 2.中央自動車道 上り線 小仏トンネル手前の3車線化

タイトルとURLをコピーしました