最近、交差点で右折しようとして、反対車線に入り逆走してしまう事故が目立っています。
とくに車線が複数あり中央分離帯もある道路において多く発生しています。
一般道から高速道路への出入り口交差点で出口から入ってしまうと高速道路本線上で逆走し、重大事故に繋がることもあります。
では、どうすればこの問題を防げるのでしょうか?
その最適解のひとつが「ラウンドアバウト(環状交差点)」です。
なぜラウンドアバウトで逆走が防げるのか?

通常交差点では、交差点の中を小回りして右折しますが、逆走時も順走時と非常に近い走行ラインになり、カーブも緩く楽に曲がれるため、中央分離帯を道路左端だと誤認して、手前にある反対車線に容易に進入できるようになっています。
一方、ラウンドアバウトでは、環道に入って交差点を大きく半周してから左に退出する構造になっています。
そのため、
- 流入・退出が鋭角で設計されれば、逆走するには急カーブになる
- 逆走時は順走時と走行ラインが大きく異なる
という特徴があり、通常交差点よりも逆走がしにくい構造になっています。
なお、高速道路インターチェンジ内の平面交差点における逆走対策については、下記をご参照ください。
ラウンドアバウトのメリットはそれだけじゃない!
ラウンドアバウトには、逆走防止以外にも多数の利点があります。
通常の信号交差点に比べて、安全性・利便性・環境性・コスト面ですぐれた特徴を持っています。
✅ 安全性の向上
- 信号無視・見落とし・変わり目での急加速・急減速が発生しない
- 交差が1方向からのみで、互いに注視しながら合流するため衝突リスクが低い
- 交差点内の速度が自然と低下するうえ、交差角度が小さいため、衝突時も被害が小さい
- 車同士の交差部から横断歩道が離れているうえ、車の信号が青で歩行者が横断することが無いため、歩行者事故も少ない
- Uターン時に切り返しが不要なうえ、信号が変わることによる焦りが発生しない
✅ 待ち時間・環境負荷の低減
- 信号待ちが無いため、平均通過時間が大幅に短縮(五叉路以上は顕著)
- 無駄なアイドリングや加減速が減り、環境負荷も軽減
✅ 低コスト・災害にも強い
- 信号設備が不要なため、維持管理コストが格安
- 停電や災害時でも運用可能
「土地が広くないと無理」…は誤解です!
ラウンドアバウトには「交通量が多い場所に向かない」「広いスペースが必要」といった誤解がありますが、実際は次のように解決可能な課題です。
- 環道が複数車線あれば、大量交通にも対応可能
- 信号交差点は交差する車や歩行者が通らない無駄な停車があり、実効的な通過能力は低い
- 海外では、「ミニラウンドアバウト」も一般的
既述の図↑もほぼ同等の敷地


まとめ:交差点改革は、命と未来を守るインフラ投資!
今後、ますます高齢化が進み、逆走や見落としによる事故は増えると予想されます。
また、インフラ維持コストの増大や自然災害の増加も危惧されています。
ラウンドアバウトの導入は、今こそ急ぐべきインフラ改革です。
安全性・利便性・環境性・コストのすべてで優れたラウンドアバウト、
ぜひ日本でも積極的な導入と普及を進めていきましょう。
ラウンドアバウトと通常交差点の比較・詳細については、下記をご参照ください。